シリーズ【マンソン豆知識】第2集 弾薬(アンモ)に着火(チャッカ)のハイブリッド

 マンソンB5チャッカ、その形はどこから来たのか。

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あたかも半世紀以上前から存在していたような
質実剛健なデザインには2つのルーツがある。
英国陸軍がかつて運用したB5ブーツ、そして
現代社会でも馴染みのある、チャッカブーツだ。
今回はデザイナー、ナイジェルケーボンが
インスパイアされた、これら2種のブーツを解説。

英国陸軍のブーツは「アミュニション(短縮形;アンモ)」
ブーツと呼ばれている。「弾薬」という意味である。
19世紀末から20世紀初頭まで数々のパターン、
その中にB5というパターンが存在する。

[英国陸軍弾薬ブーツパターン系譜]
1887ー1907年 パターン1037
1907ー1911年 パターン1037i(1037の改良版)
1911ー1914年 パターン 7325、7326、”A“シリーズ、”HN“シリーズ
1915ー1917年 パターン”B“シリーズ(B2、B5など)

色は1908年までは黒に統一されていたが、
迷彩色としては茶が適切と判断されるようになる。
然し黒は公に出るには相応しい色であった。
それ故当時の兵士には2足共配給されていた、
黒は訓練時や式典用、茶は戦地勤務時用として。

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1915年製B5型弾薬ブーツ(大英帝国戦争記念博物館所蔵) 

突然だが、ここでクイズを出題しよう。
「弾薬ブーツ」という名称の由来とは何だろうか?
以下の三択から答えを見つけてみてほしい。
<1>内側に鉄板を施してあり弾薬も貫通できない程屈強
<2>内側にスペアの弾薬を装備できる設計になっていた
<3>陸軍の砲術係下士官達によって製造されていた
(答えはページ下)

さて、もう一つのルーツ、チャッカブーツについて。
言わずもがな、その形を知らぬ人はいないだろう。
踝丈で2〜3組のハトメを持ち、その内の多くは
カーフスウェード製、そしてライニングを用いない。

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起源は英国陸軍のインド統治時代(1857〜1947)まで遡る。

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(乗馬ブーツ姿のポロ選手達)

当時駐屯中の兵士達が嗜んだスポーツはポロだった。
試合中は膝丈の乗馬ブーツを履いていたが、
試合後はより履き心地の良いブーツに履き替えた。
それが、チャッカブーツの祖先と言われている。
ヒンディー語で円環や回転をchukkerと呼ぶ。
それに因んでポロの試合の1ラウンドはチャッカと
呼ばれる様になり、またブーツの愛称にもなった。
1920年〜1930年にウィンザー公が愛用した事から
チャッカブーツは世界中に広まっていった。

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(前列左:ウィンザー公。スーツの足元はチャッカブーツ)

弾薬とチャッカ、ユーモラスな名称である。
これら2種類のブーツの歴史から生まれた
ハイブリッドがマンソンB5チャッカブーツ。
ナイジェルケーボンの5年ぶりの渾身作だ。

20世紀初頭の英国陸軍の様に、
セミフォーマルに黒、カジュアル用にベージュ
と個性の違う2足を履き替えてみるのも粋なものだ。

(詳細、購入は以下のリンクをクリック。別ウィンドウが開きます。)
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さて、クイズの答え合わせといってみよう。正解は<3>、
陸軍の砲術係下士官達によって製造されていた、である。
当時弾薬ブーツは、ロンドン東部のウーリッジ地区にて
弾薬と共に製造されていた。職人ではなく、兵士達の手によって。

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(ブーツの修理を行う兵士達)

シリーズマンソン豆知識第2回目、
お楽しみいただけたろうか。
最終回は素材と製法に着目してみたい。
次回も乞うご期待!


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2017.12.04. (Mon) 17:00 | 未分類 | comments (0) | page top↑
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