TIMEX社といえばミリタリーにあらず?

 TIMEX社の時計といえば「これ」というのが難しいほど世界的に有名なモデル、大ヒットしたモデル、あるいは注目された機能があります。Nigel Cabournとのコラボレーションとして2018年にベトナム戦争をテーマとして「NAM WATCE」が発売されており、ミリタリーウォッチのブランドとしてその地位を確立しています。もちろん、古くから米軍に供給していますから当然のことでしょう。今季2019年のコラボも前回と同様「キャンパー」というモデルを基にしていますが、サッカーのレフリーが使用していた懐中時計にインスパイアされて製造されています。それは文字盤の見易さだけではなく、スポーツシーンにも合わせたモデルを発表してきたからでもあるのです。そして、安価な機械式ポケットウォッチのブランドとしてアメリカはもちろん世界各国で多数のベストセラーを発表してきたからなのです。
 TIMEX社は1854年米国コネチカット州ウォーターベリーにWaterbury Clock Companyとして創業されました。以降、世界中の多くの方々に愛されるブランドとして成長しています。一躍有名になったのは1931年に世界で初めて製造された「ミッキーマウスウォッチ」があります。当時のものは今でもオークションなどで高値でとりひきされています。また、1986年には当時の男子達が憧れたアイアンマンを発売しスポーツシーンに対応したデジタル時計でした。クリントン元大統領が就任演説の際に着用していました。また、1992年にはこれまでの常識を覆す世界初の文字盤全面発光機能である「インディグロナイトライト」といった製品だけではなく機能面でも画期的な機工を生み出してきたのです。そして、米国の子供たちが初めて手にする時計もこのブランドが圧倒的に多く、正に子供から大人までに愛されているのです。
 では、代表的なモデルをいくつか紹介しましょう。まずはここから人気を博したといってもいい「ヤンキー」です。

yankee

これはポケットに入る懐中時計で、当時わずか1ドルで発売されるやいなや、作家のマーク・トゥエインや鉱山労働者に、農夫や工員、さらにはビジネスマンにまで誰もがこの時計を持つようになったのです。そして、世界で最も売れた時計となり、そのことから「ドルを有名にした時計」とまで呼ばれるようになったのです。

 第一次世界大戦時、米軍から「ヤンキー」の携帯性をさらに高めたミリタリー用時計を製造するようにとの要請を受け製造したのが「ミッドゲット」という腕時計でした。戦後には民間にも発売され爆発的な人気となりました。

midget

 第二次世界大戦後には様々なモデルが発表されます。1950年代半ばに発表された「マリーン」は、当時としては非常に珍しく防水、防塵、耐衝撃性といった機能、特に防水性を備えていることを強調するかのようにその名がつけられました。1977年に発表された「イージーリーダー」は1億本以上を売り上げたロングセラーモデルで文字盤の見易さや様々なベルトで幅広く受け入れられたのかもしれません。真鍮加工産業が盛んであった創業地のウォーターベリーっは真鍮の街としても有名で2014年に創業160周年を記念してその名を冠した「ウォーターベリー」も発表されました。その他にも多数の人気モデルが発表されており、挙げると膨大な数になります。
 ところで「ミッドゲット」後も米軍に供給しておりコラボモデルの「キャンパー」もその1つです。その名のとおりアウトドアやまさしくキャンプに適したモデルで、ここから派生商品も多数あります。実はこの「キャンパー」は日本企画として復刻されたことで米軍仕様のミリタリーらしさをライフスタイルに落とし込んだと言ってもいいかもしれません。もしかすると日本で復刻しようと言わなければこのコラボも実現していなかったかもしれませんよ。


by Makoto Asao
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2019.07.19. (Fri) 16:59 | Diary | page top↑