19AWのテーマ:RNLI SEA RESCUE

2019AWのテーマは「王立救命艇協会(Royal National Lifeboat Institution)の海難救助」です。聞き慣れない組織かもしれませんが、その歴史は古く1824年に国立難破船救命協会として創設され、1854年に現在の名称に変更されました。イギリスやアイルランド周辺の沿岸や海における救命活動を行うボランティア団体です。

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創設者はグレートブリテン島とアイルランド島に囲まれたアイリッシュ海の中央に位置するマン島に住むようになりました。マン島が位置するアイリッシュ海は海洋交通の要でもあり多数の船が航行していましたが、そこはまさに難所で海流や風が行く手を阻み難破する船も多かったのです。この海域が危険であると認識した創設者は訓練された人員で運営する国立救命艇サービスの計画を考えました。彼が住んでいたマン島は統治権が度々移動する複雑な島で、1765年にイギリス王室が支配権を購入し、その君主がこの島の領主となっていることから、イギリス海軍本部にこの計画を持ち掛けましたがほとんど返事がなかったようです。しかし、イギリスの社交界の慈善的なメンバーに訴えかけたことで計画が認められ、念願であった難破による人命救助の国立協会が設立されました。設立から30年後に王立救命艇協会と名称を変え、現在も同じ名称で活動を続けています。最初の救命艇は彼の功績をたたえて、彼が住むマン島の首都ダグラスに配置されました。彼が60歳の1830年にダグラス港の入り口にあるコニスター岩に座礁したセント・ジョージ号の救助に参加し、彼や他の船員も海に放り出されたりもしましたが、死者を出すことなくセント・ジョージ号の全員を救助することができました。
現在も彼の意思は受け継がれており、200を超える救命艇基地に300台以上の救命艇を配備し、運営しています。乗員はほとんどがボランティアで約4,000人の船員たちは発煙弾などで警報を受け、救命艇基地に集まってくるのです。また、イングランドの南西には60数か所海岸でライフガードを組織し、何百人ものライフガードが海岸の事故防止にあたっているのです。
そんな彼の名前は、ウイリアム・ヒラリー卿。もう1人のヒラリー卿だったのです。

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19SSそして19AWと目を引くカラーリングのアイテムが多いのはテーマに基づいたものなのです。デッキクルーも救命艇の船員も非常に過酷で危険な仕事です。その命を懸けて任務を全うするために、自分たちの存在や救助を求めている人たちの存在が一目でわかることが重要なのです。デッキクルーは作業によって様々な色のTシャツやベスト、パンツなどで決められており、空母から離発着する航空機の操縦士たちからわかりやすくなっています。


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海難救助を求めていることが救助員からわかりやすいように黄色やオレンジなどの救命具を装着しています。皆様がよくご存じの米国空軍のMA-1の裏面がオレンジなのは救命カラーなのです。

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奇抜な色も実は命に係わる重要な目印なのです。今季のアイテムで皆様に響く色がありましたら、いつもの色に加えてみてはいかがでしょうか。



              by Riku Henmi
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2019.09.22. (Sun) 12:37 | ・NIGEL CABOURN | page top↑